はじめての海外ツーリング 第6話 Ride day 2 Roma to Eromanga

2019年12月30日(月) 乗車2日目

今日はエロマンガに向かう
朝はエナジーバーと水で済ませて9時頃出発。
早朝に出発しようとも思ったが、少々疲れがたまっている感じだったので遅めのチェックアウト。

徐々にアウトバックに入っていき、地面がさらに赤くなってくる。
道は併走する鉄道と時に交差しながら奥地へ向かっていく。

オーストラリアの踏切はカッコいいと思う ちなみに一時停止の必要はない

昨日より、さらに多くのカンガルーが死んでいる。多いときは100mに1頭くらいか。
死体をついばむカラスも多い。

が、カラスは奥地に行くに従い徐々に減って、数は少ないが猛禽類が出てきた。

さらに進むと道路脇のカンガルーの死骸はミイラ化して、徐々にその数は減っていき、ついには鳥もいなくなる。
気温が高い。42度くらい。

このへんに来ると、他の車は滅多に見ない。
たまに法定速度以下で走行するロードトレインに追いつくこともあるくらい。
親指を立てて追い越していく。

ローマから350kmほど行ったフォックストラップにあるロードハウスで給油と食事。
ロードハウスは、レストラン…というより小さいドライブインとガソリンスタンドが一体となった施設…と言うと聞こえは良いが、小さい食堂の前に燃料ポンプがある施設と言った方が雰囲気が掴めるだろうか。宿が併設されている場合もある。

このロードハウスの前には、一見動いていないような古いポンプが一台。見た目はまさに骨董品。Googleマップではペトロのマークがあったけど、これ本当に動くのか?
「動くわよ!」
と店のおばさん。

南京錠で施錠してあるので店の人が解錠してくれて、自分で給油する。
燃料はレギュラーガソリンしか無い。
R1200RTはハイオク仕様だろうが特に問題は無いだろう。実際問題無かった。

ここでベーコンエッグとジンジャービアで昼食。客は他にいない。
トラックドライバーが店に配達に来た。愛想が良い。店のおばさんも愛想が良い。
「どこから来てどこへ行くの?」
「今日はエロマンガまで」
この後は機会があれば食事の度にジンジャービアを飲んだ。
水分とエネルギー補給にはちょうど良い。

地面が赤くなるとカンガルーの死骸が極端に減る。
鳥もいない。
いよいよ本格的なアウトバックに突入する。

40度を超えて暑いが、乾燥しており汗をかかない。
ちょっとくらいの水分補給では足りない。
小便が出なくなると危険。気付かないうちに脱水症状になる。

たまに見かけるレストエリア(ただの駐車スペース)で休憩するとどんな感じなのか、試しに道路脇にバイクを停めて休憩してみる。
が、暑すぎて全く休憩になっていない気がする。
ジリジリ焼けるようで、ゆっくり休みたいとは思わない。
日陰が無いしハエが多い。
都市部周辺のハエは、数が多いとしても比較的のんびりしているというか、穏やかという感じ。
内陸部の厳しい環境のハエはアグレッシブだ。凄い勢いで集まってくる。
ろくに水分が無い土地ではヤツらも命がけなのだろう。これはたまらん。
正直なところ、走行していた方がまだ快適だ。

レストエリアの”バイオトイレ” トイレは2階部分で下部に微生物による分解槽がある 水道電気不使用

赤い荒野を走っていると、時折ハッとするような鮮やかなライムグリーンのサボテンがある。
基本的に写真を撮るために停まらないと決めたが、これは気になって仕方なかったので写真を撮ってみた。

ライムグリーンのサボテン 本当はもっと鮮やか 地面が赤い

16時頃、エロマンガに着いた。小さな町というより集落といった感じ。
町の手前には小さな石油のリグがあった。こんなところで石油が採れるとは。
唯一の無人のガソリンスタンドで給油。ここはクレジットカードを機械に通して前払い。誰もいないので、まるで燃料の自動販売機だ。ハイオクもある。
ここのガソリンは現地産か?製油所は見当たらなかったので、そんなことはないか。

エロマンガではオーストラリアで最も大きい恐竜の化石が見つかったらしい 展示してある博物館は年末でお休み

宿は町の反対側の外れにあるので、ちょっとバイクで散策。
事前に調べておいたエロマンガ・カフェで何か飲もうと思ったが潰れていた。
宿が併設された食堂、いや、部屋もある食堂エロマンガ・ロイヤルホテルに寄った。
名前は立派だけど、荒野にある小さな食堂というか、ここもロードハウスだな。燃料ポンプがあるし。
雰囲気は良い。いかにもって感じ。
ここで1.2リットルのペットボトルの水を買った。
「大きいのと小さいの、どちらが良い?」
と聞かれて、反射的に「大きいの!」と言ったが、それが正解だったことを翌日に知ることになる。

内陸の人は声がデカい。しかし人当たりはとても良い。
飾ること無く人の良さがにじみ出ている。
厳しい環境に住む人たちは皆そうなのだろうか。
ディナーは18時以降とのことなので、まずは宿に行くことにする。

宿はスタッフ不在で、ドアに鍵が刺さっているから好きに使って良い旨の連絡をもらっている。
巨大なトカゲのお出迎え。

巨大なトカゲ コイツはこのあたりの名物だそうだ

宿には誰もいない。スタッフも宿泊客も。
荒野の1件宿だ。
何の音もしない。と言いたいところだけど、本当の無音ではない。風の音がする。
まれにまるで無響室にいるような本当に無音の場所があるけど、ここはそうではない。
風の音だけでも「何も無い」という感覚はだいぶ薄れるものだ。

草が生えているがこれを侮ってはならない トゲがサンダルを貫通してくる
ドローンで上空から撮影 結局ドローンを使ったのはこれが最初で最後

部屋はとてもシンプルだけど居心地が良い。
こんなところでもエアコンがあってテレビが見られて水道が出て冷蔵庫があるのが不思議な感じ。

なぜかトイレはSF的な感じ 水栓が調子悪かったので直しておいた

夜はエロマンガ・ロイヤルホテルでステーキ。予想外に美味くてビックリ。
思わず
「これ、うまいね!」
と言ったら嬉しそうだった。

このあたりに店は無いので、ここで朝食を確保しておく必要がある。
頼んで作ってもらうことにした。
何を作ったら良いかと困っていたが
「ランチボックスで良い?」
もちろんOK。
サンドイッチとリンゴとビスケット。氷を入れたビニール袋を同梱して冷やしてくれた。
無理を言ったのに心遣いが嬉しい。

店の人は親切だった 店の外観はそれなりにくたびれているが、中は清潔な田舎の食堂という感じ

店を出ると凄いハエ。なぜか店の中にはいなかったが。
やることも無いので、宿に戻って洗濯をしよう。

町名を示す看板にも「海から最も遠い町」とある

夜は星が凄い。
でも、あまりに真っ暗で少々気味が悪い。
さらに暗闇から正体不明の動物の声。
蚊がいるのは分かるが、夜中なのにハエがいる。サンドフライも。コイツは咬んでくる。
ずっと星を見ていたい気もしたが、蚊とサンドフライがいて外は快適ではない。何より疲れていたので部屋に戻って寝た。
明日は今回で最もタフな1日になるはず。

590km走行 Eromanga Cooper’s Country Lodge泊

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です