電気の時代がやってくる 効率編

さて、日本も欧州に追従して
EV化していくことになりそうですね

とはいえ
「すぐにすべて電動化だ!」
という乱暴な方法ではなく
「この年から新車はすべてEVね」
という感じになるようですね。

でも
エンジンが好きな人には抵抗があるでしょうね。
あとは経済的な問題に対する抵抗感もあるかな。
電気自体は安いけど、EV本体はお高いですから。
単純に現状からの変化に対する抵抗感もあるかもしれませんね。

私なんかは
エンジン好きだし
ビンボーなので
今の車に高い税金課されたら困っちゃうなー
というクチですが。

100年前は市場原理でEVは消滅しましたが
今回はちょっと事情が違います。

化石燃料の埋蔵量とか
CO2の排出とか
各国の思惑とか
いろいろな事情が渦巻いてます。

なので
ここではもうちょっとシンプルに
モノとしての
クルマとしての
レベルで考えてみましょう。

EVの効率です。

基本的なところでは何でしょうね。
エネルギー効率かな。

ガソリンエンジンは効率30%
電気モーターは90%
とか言われてますね。

ガソリン自動車はガソリンという液体燃料
EVは電気で走るわけですが
電気は資源として採掘するものではありません。
多くの場合は燃料を燃やして
蒸気でタービンを回して発電する
火力発電ですね。
なので単純比較はできません。

こういった場合は
Well to Wheel
という考え方をします。

Wellは井戸です。
油田ですね。
Wheelは車輪。

油田から採掘されたエネルギーが
クルマを走らせるまでの効率を見るのです。
この考え方、最近はネットでも
ボチボチ見るようになってきたのではないでしょうか。

ではスタート。

まずは採掘した原油を100%とします。
これをタンカーで国内に輸送するので
輸送に要するエネルギーを差し引く。
ここまでは双方一緒です。

ガソリンの場合
原油からガソリンを取り出す精製効率があって

さらに国内はタンクローリーで輸送するので
またまた輸送に要するエネルギーを引いて

燃料タンクに給油して走る。
エンジンの効率が低いので
ここでガツンと効率が下がります。

100%の原油のうち
走行するのに使われるのは13%程度です。

でもこのところ
ガソリンエンジンの技術向上もめざましいので
実際はもうちょっと良いかもしれません。

EVの場合
原油から発電用に重油を精製します。
これはガソリンよりちょっと効率が良い。

火力発電所で原油を燃やして発電
ここでガツンと効率が下がります。

送電線で電気を送るにロスがあって

電池に充電して
モーターに給電すると
そこでもロスがあって

素晴らしい効率のモーターで走る。

100%の原油のうち
走行するのに使われるのは18%程度です。

なんだ
あんまり変わらないじゃん!
その通りです。
でも、EVの方がちょっと良いですね。

双方ともに
エネルギー効率が
ガツンと下がるのは
エネルギー変換が起きるところです。

例えば
エンジン内部で起きる
液体燃料のカロリーから運動エネルギーへ

発電所で起きる
液体燃料のカロリーから運動エネルギー
そして電気エネルギーへ

そんなときにロスが出ます。

EVは排気音がなかったり
排ガスが我々の目の前で出ない
という点では
EVの方がいかにも高効率で
クリーンなイメージがありますけどね。

あとやはり
EVで現行の自動車と同じような使い方
つまり
同じような速度で同じような距離を走る
というようなことをやろうとすると
重いバッテリーをいっぱい積まないといけないので
クルマそのものが重くなり効率を上げにくい。

クルマ単体で言うなら
充電時間のことも含めて
バッテリーの革命が必要そうです。

大学内の蛍光灯は軒並みLED化してます
気付けば街中の街灯もLEDですね

全国でどれくらい電力消費が削減できているのでしょうか