最近のバイク CRF450Rその7

その1その2その3その4その5その6と続いてます。
今回はスイングアームです。

まぁ良くあるタイプに見えるかもしれませんね。
角パイプで構成された形状ですが…

単なる角パイプではなく
前方の付け根に向かって太くなってますね。

部材にかかる力を考えると
根元は太くして強くしたいけど
動きを考えると
先端(後端)は細くして軽くしたい。

一般的にそんな形状にするなら鋳造です。
自由に形を作れますからね。
でも重くなってしまいます。

軽くしたいならパイプ材ベースですね。
型でニューっと押し出して作るパイプ材。
でも
一般的な押出材だと一定形状の断面になってしまうので
単なる角パイプのスイングアームになってしまいます。

これをどうやって作るんだって話です。
ただそれだけです。

これ、恐らくハイドロフォーミングってヤツですね。
違いますか?

現役で設計やってた20年くらい前に
プレス業界から新技術として紹介をされた覚えがあります。
実際に製品の設計で使ったことはありませんでしたが
「へ~、凄いことができるようになったんだなぁ」
と驚いた覚えがあります。

コイツがそうか。
きっとそうに違いない。

詳しく知りたい人は調べてみて下さい。ハイドロフォーミング。

2021/01/15追記:
違いました。
ハイドロフォーミングではなく、スウェージング加工でした。
型を使って外から押し縮めて細くする加工ですね。

あと、強度が求められるアルミ合金の溶接部品ですから
恐らく材料は超々ジュラルミン「A7N01」もしくは類似のものでしょうね。

一般的に強度を求められるアルミ合金材は熱処理をして使うものですが
溶接すると熱で強度が低下してしまうのです。

が!
このA7N01材は溶接後に徐々に強度が復帰するミラクルな材料なのです。
確かこの材料、零戦の開発に伴って生み出されたはずです。

夢工房にいる連中は、ずいぶん昔から使ってます。
入手が難しいのが難点ですが。

学生のうちからこんな面白い材料と付き合えるって良いですよね。

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